NPO法人血液情報広場・つばさでは、

○血液がん治療中・後の患者さんから「交通機関で過ごす時間が本当にきつい」「あの車内弱者運動はどうなっていますか」という差し迫った相談を受け、これまでの「車内弱者対応運動」を心機一転、取り急ぎ展開することにしました。

○駅のホームやバス停での待ち時間にベンチに座れないのもつらく、貧血が重い時は立っているのは危険でもある、というお話もあり、車内弱者への対応ではなく、<血液・交通弱者優先カードの作成を>とします。
血液疾患治療中・後の交通弱者が堂々と優先席や待合ベンチに座れるように
血液・交通弱者は、若くて一見身体的に不具合が見受けられないものの実は立っていることに辛さを抱えている人のことです。ご理解ください。
呼びかけの理念とお願い
電車やバスや駅のホームやバス停で立っていることが辛く・危険な「血液・交通弱者」がいます。
—公共の交通機関を、もっともっと優しい空間に—
—血液・交通弱者が持参する表示プレートの作成を—
特定非営利活動法人血液情報広場・つばさ
代表 橋本明子
 私の長男も白血病治療の過程で一時期貧血に苦しみました。家で静かにしている時間にはあまり問題がなくても、貧血状態の人にとってもっとも辛いのは、ただじっと立っている時間です。

 貧血がきつかった12歳の頃、「いくじなしの少年にみられたくない」と、脂汗を流しながら車内で立っていました。たった20分程度の乗車時間に耐えられないことを、12歳の元気盛りのはずの少年としては、とても情けないと思っていた様子でした。

 私は長身の息子のジーンズの腰をつかんで、倒れないように支えていました。胸のふさぐ思い出です。

 フォーラムや交流会で出会う血液がんや重症貧血の方々に加えて、がん電話情報センターに寄せられた8,000件を超える患者さんからの声の、少なくない割合が「移動時の交通機関でつらい思いをする」というお話です。血液がんは若い患者さんも多く、見た目は通常の健康体ですから、シルバーシートに座るには勇気が要ります。

血液がん領域には、いろいろな「交通弱者」と状態の人がいます。
化学療法のために通院治療中の人経過観察中の人
薬を飲みながら(副作用を抱えつつも)仕事や学校へ通っている人
治療によって内臓障害を抱えている人
また例えば、骨髄異形成症候群は主たる症状が貧血で、長い年月「経過観察」のみに通院します。その道々、最も辛いのが交通機関の車内にじっと立っている時間だと言います。

●見た目では健康そうですが…。
 血液がん・小児がんでは、電車やバスで立っているのが辛い状況の人がたくさん居ます。ときに、化学療法(薬によるがん治療)や骨髄移植の結果、内臓に障害を持ってしまった人もいます。ただこのような本人の辛さは「外見だけではわからず」案外健康そうだったりします。
 みな「席をゆずってください」とはなかなか言いにくい心境のまま我慢しています。必要な人が堂々と優先席や待合ベンチに座れるためには、何らかの表示カードが求められます。

●理解の輪・和を広げたいのは
JRや私鉄、バスなどの交通機関はもちろん、政治、行政、そして教育の場へ
あのカードを持っている人は、立っているのが危険だから席をゆずりましょう、でも、奇異な視線は送らないでね、という優しい雰囲気を日本中に広げてほしいとも思います。
国交省大臣への要望書(案)

国土交通大臣 太田 昭宏 殿

血液・交通弱者のために優先カードを作成してください

貴職の日頃の御働きに敬意を表します。

私共はすでに25年を越えて、血液がんや貧血などの血液疾患々者さん達の「より良い治療とより良い闘病生活」の支援を行っております。

血液の病気は、ときに薬物療法や移植治療などの副作用で貧血状態が継続することもあり、また治療で全体の大きく体力が後退する時期もあります。それでも、その状態にあっても見た目にはほとんど変化がなく、健康体に見えます。

しかし、血液がんやいくつかの血液疾患は若年層にも発症することも多く、とりわけ若い患者さんでは、電車・バス内の優先座席や駅構内やバス停の待合ベンチに座ることを遠慮して、じっと我慢をしてしまう傾向にあります。

そこで私達は、この「血液の病とともに頑張っている」人たちが公共の交通機関で優先されるよう、血液・交通弱者カードを作成いただき、その普及をお願いしたくここに要望いたします。

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